光造形 vs FDM の違いとどっちを選ぶか — 用途・予算・後処理で選ぶ完全ガイド 2026
公開: 2026-04-18更新: 2026-06-02GAJEST 編集部約 7 分で読めます
目次
光造形 (LCD/MSLA) vs FDM 方式 — 用途・予算・後処理で選ぶ完全ガイド 2026
光造形と FDM、どっちを選ぶかの結論を先に言うと「滑らかさが命なら光造形、実用・大物・最初の1台なら FDM」です。 フィギュアや歯科模型など表面品質が仕事になる用途だけ光造形を先に選び、それ以外のほとんどの人は FDM (Bambu Lab A1 / Creality K1C 級) から始めるのが無難です。
家庭用 3D プリンタの入口で必ず迷うのが「光造形を買うべきか、FDM を買うべきか」です。どちらも10万円以下で高品質機が買える時代になった一方、作業フロー・後処理・安全性・向くジャンルは大きく違います。本ガイドでは2026年4月時点の主流機をベースに、2つの方式の違いと選び分けを整理します。

結論 (先に答え)
- フィギュア・ミニチュア・歯科模型のように「表面が命」の造形は 光造形 (LCD/MSLA)。積層 0.01〜0.05mm 級の滑らかさは別格です。
- 機構部品・実用品・家具パーツ・大物は FDM。強度・サイズ・素材多様性で有利です。
- 子供のいる家庭や寝室設置なら FDM 優先。光造形はレジンと IPA の取り扱いに注意が必要です。
- 初めての1台は ほとんどの人で FDM (Bambu Lab A1 / Creality K1C 級) が無難。エントリー機種の選び方はBambu A1 mini vs Creality K1C 比較も参考になります。光造形はセカンドマシンとして買い足すのが現実的です。
選び方のポイント
1. 精度と表面質感
光造形は XY 解像度が液晶の画素ピッチで決まり、2026 年の主流 8K 機で約 28μm、12K 機では 18μm 前後です。積層も 0.02〜0.05mm が標準で、フィギュアの毛流れや歯科模型の細部まで再現できます。FDM はノズル径 0.4mm が標準で、積層 0.08〜0.2mm、表面には必ず積層痕が残ります。FDM の仕上がりは使うフィラメントで大きく変わるため、フィラメント選び方ガイド (PLA/PETG/TPU/ABS)も合わせて参照してください。
2. 造形サイズと強度
FDM は 256mm 角級 (Bambu Lab X1C / P1S) の大型機が10万円前後で、機構部品やトレー・ケースまで一気に出力できます。光造形は8K/12K機でも XY 200mm 程度が上限で、大きな造形には向きません。強度も PLA/PETG/ABS/PC の選択肢を持つ FDM の方が実用部品に回しやすいです。
3. 後処理の手間
光造形は造形後に「IPA (イソプロピルアルコール) で洗浄 → 二次硬化 (UV ライト)」が必須で、洗浄機と硬化機 (兼用機あり) が実質セット購入になります。未硬化レジンは皮膚刺激性があり、ニトリル手袋・換気・廃液管理が前提です。FDM はサポート材を外して、必要ならやすり掛け程度で完了します。
4. ランニングコストと匂い
FDM は PLA 1kg あたり 2,000〜4,000円、PETG で 2,500〜4,500円。匂いは PLA でほぼ無臭、ABS で要換気。光造形レジンは 1kg あたり 3,500〜8,000円で、開封時の独特な臭い + 造形中のレジン蒸気対策 (活性炭フィルタ・窓排気) が必要です。

主要機種比較表 (2026年4月時点)
| モデル | 方式 | 造形サイズ | 解像度 / 積層 | 実勢価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Bambu Lab A1 | FDM | 256×256×256mm | 0.08〜0.28mm | 6〜8万円 | 入門FDMの定番。AMS lite対応 |
| Bambu Lab P1S | FDM | 256×256×256mm | 0.08〜0.28mm | 12〜15万円 | 密閉筐体でABS/ASA対応 |
| Bambu Lab X1C | FDM | 256×256×256mm | 0.08〜0.28mm | 18〜22万円 | フラッグシップFDM |
| Creality K1C | FDM | 220×220×250mm | 0.1〜0.3mm | 8〜12万円 | 高速&カーボン系対応 |
| Elegoo Saturn 4 Ultra | 光造形 (LCD) | 218×123×260mm | 19μm / 0.02mm〜 | 5〜7万円 | 12K・高速チルト |
| Anycubic Photon M5s Pro | 光造形 (LCD) | 223×126×200mm | 19μm / 0.02mm〜 | 6〜8万円 | 12K・自動レベリング |
| Elegoo Mars 5 | 光造形 (LCD) | 153×77×170mm | 18μm / 0.02mm〜 | 3〜4万円 | 入門光造形の定番 |
| Phrozen Sonic Mini 8K S | 光造形 (LCD) | 165×72×180mm | 22μm / 0.01mm〜 | 4〜6万円 | 細密な趣味用途向け |

用途別おすすめ
フィギュア・ミニチュア・ドールヘッド
光造形一択。Elegoo Saturn 4 Ultra か Anycubic Photon M5s Pro の12K機が現時点の最適解です。積層 0.03mm 前後で毛流れ・布しわまで出せます。
機構部品・治具・ロボットのフレーム
FDM。Bambu Lab P1S か X1C。PETG / ABS / PA-CF まで幅広く使え、剛性と耐熱の要件を満たせます。機種選びの詳細はBambu Lab 主要3機種比較、また A1 vs P1S の比較ページも参考になります。
ボードゲームコマ・小物雑貨
どちらも可。色替えを多用するなら AMS 付き Bambu Lab シリーズ、表面の綺麗さを優先するなら Mars 5 のような入門光造形が相性良しです。
ケース・工具ホルダ・家具パーツ
FDM 一択。光造形機のサイズでは足りず、強度も FDM の PETG/PLA+ が有利です。
歯科・ジュエリー用途
光造形の専用レジン (キャスタブル・歯科向け) 対応機。8K/12K クラスと二次硬化機のセット運用が前提になります。

よくある質問
Q. 初心者はどちらから始めるべき? A. ほとんどの人は FDM から始めるのが無難です。Bambu Lab A1 クラスなら箱出し 30 分で造形開始でき、後処理もほぼ不要。光造形は安全装備・洗浄二次硬化フローを整えてから入るのが安心です。
Q. 光造形のレジンはどう捨てる? A. 未硬化レジンは産業廃棄物扱いで下水に流せません。UV を当てて固化してから一般ごみへ、が基本 (自治体ルールを必ず確認)。IPA 廃液も同様に固化処理が必要です。
Q. 臭いはどのくらい? A. PLA はほぼ無臭、PETG わずか、ABS/ASA は要換気。レジンは製品差が大きく、植物由来・低臭レジンも出ていますが、無臭ではありません。居室兼用なら密閉+排気を前提にしてください。
Q. 両方持っている人はどう使い分けている? A. 「構造部品は FDM、飾り・頭部・小物は光造形」が定番。同じ作品を分割設計して両方式で出力し、後で組み合わせるワークフローが増えています。
Q. 光造形と FDM の一番の違いは? A. 仕上がりと後処理です。光造形は XY 解像度が 18〜28μm 級、積層 0.02〜0.05mm で表面が滑らかな代わりに、IPA 洗浄 + 二次硬化が必須。FDM は積層 0.08〜0.2mm で必ず積層痕が残る代わりに、サポートを外せばほぼ完了します。
Q. 精度はどのくらい違う? A. 光造形は 8K 機で約 28μm、12K 機で 18μm 前後の XY 解像度。FDM はノズル径 0.4mm が標準で積層 0.08〜0.2mm。細部の再現性は光造形が明確に上で、フィギュアの毛流れや歯科模型の細部まで出せます。
Q. ランニングコストはどっちが安い? A. 材料費は FDM が有利です。PLA は 1kg あたり 2,000〜4,000円、PETG で 2,500〜4,500円。光造形レジンは 1kg あたり 3,500〜8,000円に加え、IPA や交換フィルタなど後処理のコストも乗ります。
Q. 造形できる大きさはどっちが上? A. FDM です。256mm 角級 (Bambu Lab X1C / P1S) の大型機が10万円前後で、光造形は8K/12K機でも XY 200mm 程度が上限。ケースや家具パーツなど大物は FDM 一択です。
まとめ
2026年の家庭用3Dプリンタは「綺麗さの光造形・実用の FDM」で住み分けが明確です。最初の1台はほとんどの人で FDM が正解で、フィギュアや歯科など「滑らかさが仕事になる」用途の人だけが光造形を先に選ぶ形になります。後処理・換気・安全装備の3点を先に見積もってから機種を決めると、買ってから後悔しにくくなります。「切り出す」加工に興味があればデスクトップ CNC ガイドやレーザー刻印機比較 (XTool vs Glowforge)もチェックしてみてください。3Dプリンター関連のセール情報はディール一覧から確認できます。
関連するセール情報
このガイドで取り上げたカテゴリ・ブランドの最新セール。
Amazonで買えるおすすめ
このガイドのカテゴリに沿った厳選アイテム。
※ 当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。商品リンクから購入が発生した場合、サイト運営者に紹介料が支払われます。
関連比較
Bambu Lab P1S vs X1C 徹底比較 2026 — 違い・どっちを選ぶか
Bambu Lab P1S と X1C の違いを徹底比較。両機ともエンクロージャ付き CoreXY で高温材料に対応しますが、X1C はレーザー式の第1層補正・高解像度カメラの AI 検知・上位センサを備えた最上位機です。造形品質・素材・自動化・カメラ・価格・サポートを整理し、どっちを選ぶかを結論から解説します。
3d-printerBambu A1 mini vs Creality K1C 徹底比較 — どっちを選ぶ? (2026)
Bambu Lab A1 mini と Creality K1C はどっちを選ぶ? 小型高速 3D プリンタの 2 大選択肢を造形サイズ・対応素材・エンクロージャ・AMS・コスパ・サポートまで 16 項目超で比較。予算 4〜10 万円帯の「初めての 1 台」の選び方を整理します。
3d-printerBambu Lab A1 vs P1S 徹底比較 2026 — 違い・価格・どっちを選ぶか
Bambu Lab A1 と P1S の違いを2026年の日本実勢価格つきで徹底比較。結論はコスト重視・PLA/PETG中心ならA1、ABS/ASAをエンクロージャで扱うならP1S。造形性能・対応素材・AMS・設置環境・コスパ・サポートまで16項目超で整理し、どっちを選ぶかを明確にします。
関連ガイド
3Dプリンター フィラメントの違いと選び方 — PLA / PETG / TPU / ABS / ASA 完全比較
3Dプリンター用フィラメント PLA / PETG / TPU / ABS / ASA / PC / Nylon の違いを、造形温度・臭気・反り・強度・用途から徹底比較。入門の1kgから屋外用途まで目的別に最適な材料を示します。
3d-printer卓上CNC 切削機 おすすめ比較 2026 — Genmitsu / Shapeoko / Onefinity / Nomad
卓上CNC (デスクトップCNC) 切削機のおすすめを、作業面積・主軸出力・素材対応・騒音・集塵から2026年の実勢モデルで比較。入門から木工・アルミ加工まで用途別に後悔しない1台を提案します。
3d-printerBambu Lab 比較 2026 — A1 / P1S / X1C 価格・用途別の選び方
Bambu Lab の A1 / P1S / X1C を価格・対応素材・AMS・用途別に比較。日本での実勢価格やA1 vs P1Sの違いも整理し、初めての3Dプリンター選びで押さえるべきポイントをまとめます。
